サウジアラビアの女性の運転解禁について

ニュースが忙しい中東

対岸のアラブも、こちらの大陸側も毎日ニュースが忙しい最近です。
具体的に言えば、サウジアラビアがロシアから武器を調達したというニュースの翌日には、アメリカからも武器を調達したというようなニュースが矢継ぎ早に飛び、大陸側では、イランの核合意がぐらついている問題、またロヒンギャの問題がテレビでずっと放映されています。

原油の価格低下が長期化してきて、切羽詰まって来ているアラブ側もだんだん方向を変えざるを得なくなって来ました。中でもサウジアラビアは二つの聖地を有するイスラム教スンニ派の盟主としての正統性を維持するために、宗教にそった政策を厳格に推進してきました。その政策の中で、象徴的であった、「女性の運転禁止」というのが変わるということは、かなり大きなニュースになりました。

経済制裁で、石油収入を制限されてるイランは、相変わらずですが。

「経済の問題は権利の問題に直結するんだ」という印象

日経のコラム、女性の運転解禁、サウジの背景と打算でも論じていますが、石油依存体質からの脱出を図り、経済政策を変えようと、権力を集中化させ、政策を実行して来た、ムハンマド皇太子が一歩踏み出たか、という印象です。

長い目で見れば、石油の価格低下による収入の低下が、政策にも影響し、湾岸諸国では、今まで、免税されていたものに課税されるようになったりしています。こうした、経済活性化、国家の経済体質の変革というものの一環として、人権問題が絡んでくるというのはちょっと異様です。経済問題ベースにすべての問題が考えられているような気がして、今回の方針転換は大きなものですが、う〜んと行った感じです。

ただ、サウジアラビアでは、今まで女性の運転が禁止されていたぶん、男性が、運転手として雇われることが、普通のサウジアラビア人の間では普通であったそうです。出稼ぎに来ている外国人などは運転手の人件費の問題もあり、雇うことができないということがあるそうで、国内的には家計の経済負担が減るということで、喜ぶ声もあるようです。

New York Timesの記事、Saudi Arabia Agrees to Let Women Driveでは、90年代に女性の運転を求めて運動した活動家の声が紹介されていましたが、サウジアラビアの女性にとって、隣国のクウェートやカタールなどで運転免許を取得して運転するというようなこともよくあるそう。

中東の運転てやばいし、運転技術の男女の差なんてあんまりないと思う

話は変わりまして、中東の運転についてです。ドバイもイランも、大抵の中東の国は、運転が雑な印象です。ドバイでは、制限速度が速く設定されているし、走っている車は高級車も多いので、別な怖さがありました。イランは、バイク無秩序天国のベトナムの車版というのに相応しいようで、彼らの運転技術?は世界一だと思います。

歩行者として生活するなかで、危ないと思った場面に遭遇するのは一度や二度ではなく、歩行者ではなく、バスに乗っていても急停車は当たり前だし、といった感じです。

歩いていて危ない目にあって「うわ〜無謀だな〜」と思って、運転している人を覗くと、意外と女性だったりしていて、無謀運転に男女差もないなぁ〜と思います。もっとも産業構造的に、タクシードライバーはほとんど男性だし、男性ドライバーが多いのはありますが、彼ら(彼女ら)はガンガン攻め込んできます。

中東で運転するためにはこの、「無謀な運転技術」を身につけなければいけないし、今後サウジアラビアの女性は苦労すると思います。

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