イランのSNSインターネット事情

イランのインターネット事情は他国と全く異なる

イランのインターネット事情(特にSNS界隈)は全く異なります。前にも述べた通り、イランでは中国と同じようなインターネットに検閲があるので、Youtube, Facebook, Twitter また、ポルノサイトや、軍事的要素に関わるサイトがブロックされています。

また、検閲に加えて、インターネット環境もよくありません。政府が検閲を加えているせいか、インターネットに速度制限を加えていて、日本と比べてもかなり速度は上がりません。携帯電話は普及しており、4Gのサービスもありますが、速度はイマイチといったところです。

また、インターネットの料金が高いことも、イランのインターネット環境の異質なところです。日本と違い、インターネットを使用するには通信する量だけのパックを買うことになるのですが、例えば、2ヶ月30GBまでのプランだと70万リアル(2100円前後)となり、見たところはそんなに高い印象を受けませんが、イランの物価を考えるとかなり高いものです。

*物価はジャガイモは1kgあたり3万リアル(90円)、バスは一回あたり1万リアル(30円)といった具合です。また、交通も飛行機などは例えば、イスファハンからマシュハドまで(約1000km)の期間が80万リアル(2400円)ほどです。物価は安いけれども平均収入もそれほど高くないイランでは、無制限のインターネットは贅沢品です。

イランはInstagramとTelegram帝国

Instagram

Facebookが規制されているイランでは、Instagramがそれに立ち代るものとして場所を占めています。例えば友達の近況を知るのにも、Instagramを使ったり、また商取引で日本でいったらメルカリで売買するようなこともInstagram上でやっているのを目にすることがあります。

InstagramはFacebook系で政府に規制されていてもおかしくはないのですが、なぜ野放しにされているのかは不明です。

ということで、イランではInstagramは本来の写真共有SNS以上の使い方をされています。企業のアカウントや小さな商店までオフィシャルアカウントを持っていたりして、「お前のアカウント名はなんだ?」なんて頻繁に聞かれたりします。個人的にInstagramを商取引に使うのはさすがだなぁと思いました。

Telegram

次にイランでブイブイ言わせているインターネットサービスの一つはTelegramです。Telegramは機密性が高いメッセンジャーアプリで、政治的な理由なのか、主に中東一円の国でよく使われているイメージがあります。

欧米ではWhat’s up日本ではLINEが隆盛ですが、イランでは圧倒的にTelegramがきて、4番目くらいにLineが登場します。欧米からの留学生はほとんどLineのアカウントを持っていなかったのですが、イランでは電話番号を交換していたら、意外とイラン人もLineを使っていることに驚きます。ただ、Lineでメッセージを送っても返信が来るかは謎です。

街中で携帯をいじっている人たちがのぞいているのはほとんど、Telegramです。彼らがこれで何をしているのかというと、もちろんメッセンジャー機能で友達とやり取りしているのもそうですが、公式チャンネル、LINEでいったらLINEのオフィシャルアカウントやLINE@のような機能で情報を得ているようです。イランからインターネットで直接アクセスしようとすると遮断されてしまう、BBCのペルシア語版などのアカウントもあり、例えば、BBCのアカウントでは100万人がチャンネルに登録しています。

おそらく日本人がTwitterに求めるようなサービスもTelegramで利用しているような気がします。例えば、ある教授の講演にいったのですが、その教授(あるマイナーな分野で有名)はTelegramの公式チャンネルを持っていて、二日に一回ほど自分の情報について配信しています。

意外なあの人がTelegramの公式チャンネルを持っていたりして結構びっくりです。LINEの公式アカウントよりも垣根が低い気がします。

普通の電話

インターネットがまだまだ高いイランでは、音声通話もまだまだ現役です。バスの中で人間を見ているとおそらく、一人につき一回は車中で誰かに電話をかけたり、電話がかかってきたりしています。

Telegramも電話ん番号を登録することによって友達登録がなされるのに、初めてあってから今後も連絡取りたいときに交換するのは、Lineのアドレスでもなく電話番号です。おかげさまで僕の電話帳ではムハンマドが飽和状態であり、メッセージが来ても、どのムハンマド君からきているのかわからないほどです。

不便は独自の進化を遂げる

インターネット事情がよくないということが、既存のサービスに新たな利用法を与えているのは面白いところだと思います。イランにいると色々なところでそんな工夫が見られます。

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