イスラム社会の中のマイノリティ:イランのシナゴーグ訪問1

実は多民族の大国

国土は日本の約6倍とかなり広く、また地域大国のイラン。
島国で陸の国境がなく、ほぼ単一民族の国である日本とは違い、イランは大きさと地理、歴史ゆえに実は「イスラム共和国」と標榜しつつも、民族的には玉石混交、宗教も色々な形があります。例えば、国教のイスラム教シーア派12イマーム派の他にもスンニ派ムスリムがいたり、また少し歩くとクリスチャンのアルメニア人がよく住んでいる地域、ユダヤ教信徒の地域など一つの街でも複数の宗教の教会や施設があります。

そのなかでも、他宗教から比べてもマイノリティまた、国際政治上微妙な立場に立たされている「イスラム共和国に生きるユダヤ教徒」に出会うことができました。

微妙な立場に立たされる人々

正直彼らの立たされている立場は前にも書いているように、難しいものがあります。というのは、イラン国内に住んでいるユダヤ人が減って、どんどんマイノリティになっているのと、国際政治上の対立で国家間の対立に巻き込まれていると騒がれているからです。

Iran’s Jews:It’s our home and we plan to stayによると、1979年の革命前には10万人以上のユダヤ人がイラン国内に住んでいたとされますが、革命前後に大きな変動があり、現在では9,000人をくだる人々が暮らしているそうです。実際、街で見かけるぶんには、信じている宗教を判断することはできません。ただ、数字から判断するにかなりの少数派であることがわかります。実際にWikipediaのイランにあるシナゴーグのリストをみても、数は多くありません。また、遺産保護という点からキリスト教などと比較すると、アルメニア教会は観光名所になっていて認められているような感じがしますし、博物館までも存在し、世界一小さい聖書だとか有名にもなっていることもあります。しかしながら、ユダヤ教はそういった観光地になっているような場所はありませんし、特別保護されている印象も受けませんでした。

国際政治上の微妙な立場というのも、一つの問題です。前述の記事では「シオニズムと単にユダヤ教徒であることは違うことを意味する」と書いてありました。そうやってイラン社会に自分の信仰と国のイスラエルとを分けて主張しなければいけない背景には、国によるかなり大々的な反イスラエルキャンペーンがあるからだと思います。イスラム教の宗教行事のときでさえも、「イスラエルをぶっつぶせ」のような標語がみられる状態では、彼らは身の危険を感じるのではないでしょうか。

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