レバノンで何が起きているのか:レバノンに行きたかったのに諦めそうな人の嘆き

レバノンに行きたかった

中東に滞在している間、近隣諸国にも旅して見たいと思っていて、その中で特に行きたかった国がレバノンでした。

レバノンに行ったことがある友達は「あんなとこ汚くてイランよりもひどい」なんて言いますが、後にも述べますが、レバノンは3つの宗教的差異を持った人々が暮らしている国でどんな世界だろう、見て見たいとおもったのが一番の動機です。

ただ、レバノンに行きたいなんて話題を出した瞬間に、この一連の「レバノン首相退陣騒動」で険悪になってしまったのでとても残念です。他に、旅行する季節は春の方が良いといった事情もありますが。

はじまりは突然に、11月初週の出来事

話はレバノンのハリリ首相が11月の初旬にサウジアラビアで「命の危険からの辞任」を表明したことに始まります。
まさかの政治家が自分のルーツを持つとはいえ、他国での辞任表明という異例自体に、驚きと政治的思惑の想像にからることになるます。前提として、ハリリ首相はサウジアラビアのリヤド生まれで、サウジアラビア国籍を有しています。11月のはじめにサウジアラビアのムハンマド皇太子に急に呼び出され、空港から諸説ありますが、拘束?されたということは一応、自国民に対しての扱いです。

政治的要職に他国で就いていることは間違い無いですが、このある意味隙間を狙ったわけです。

レバノンがサウジアラビアの怒りを買ったのは、一応シーア派の盟主国のイランへの態度。
今年に入ってから、イランとサウジアラビアの対立により、イスラム教圏でのシーア派とスンナ派の対立が激化しており、中東のイスラム諸国に従って行動するか決めざるを得ない状況になってしまいますた。

レバノンは主に3の宗教的差異を持つ人々が住む国

他に少数者がいれど、40%がキリスト教マロン派,55%はイスラム教徒その中でも、シーア派、スンナ派、アラウィー派な度分かれています。

長く続いた宗教対立に根を持つ内戦の経験により、政治においても対立を避けようと注意深く設計されています。例えば、政治の席は宗派ごとに慣例的に分かれており、大統領はマロン派、首相はスンナ派、国会議長はシーア派といった具合です。

もちろんハリリ首相はスンナ派ですので、サウジアラビアは生まれ故郷でもありまた、影響も強く受けるわけです。

シリア情勢が収束するに従って、新たな対立の場所を求めている

これは、個人的な考えですが、シリア内戦での対立が収束するにつれて、新たな対立の舞台を煽っているような
印象を受けます。

ロシアのプーチン首相も、「事態は収束に向かっている」と表明したり、またイラク国内でのISILの掃討作戦も終盤を迎えており、彼らの拠点はほぼ壊滅状態であり、シリアでの対立が軟化してきました。

その中で、サウジアラビアとイランが対立しているのは、政治上の立場でもそうですが、実際には戦争でも対立しています。例えば、シリアでは政府連合を支持しイラン革命防衛隊の精鋭部隊が訓練を手助けしたりしています。また、最近対立が激化しているのがイエメンでの内戦で、イランが支援している地されるシーア派の勢力がサウジアラビア国内を攻撃したことへの、報復でサウジアラビアがイエメン国内にミサイルを打ち込み、多数の死傷者が発生して非難されています。

そんな混沌のなか、サウジアラビアの内政も劇的な改革を取り行っており、王制のレンティア国家的構造から、経済主導へ転換しようと、王族の処刑も辞さない聖域ない改革がムハンマド皇太子のもと独断的に執り行われています。

内政的には敵を生みそうな改革を実行しているいま、外交的に成果を見せつけて強い政府をアピールする必要があるのでしょうか。

このサウジアラビアとイランの対立からはじまった、一連の動きについて、中立な視点から論じることは困難ですが、ここ数ヶ月はサウジアラビアが地域で猛威を振るっています。

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