イスラム社会の中のマイノリティ:イランのシナゴーグ訪問2

扉は普通、でも中身は全く違う風景

色々な事情から、ひっそりと信仰を続け生活の拠点を構える人々。しかし、その中心となるシナゴーグは町の中心からも比較的近いところにありました。普段でも通りそうな道の一角に全くわからない様子で建っており、また外から見ても全くシナゴーグがあるとは確認できません。アルメニア教会では、堂々と十字架が外から見える位置に置かれていますが、このシナゴーグには五芒星は外から見える位置には配置されていませんでした。
IMG 20171026 113558

ドアからは、かなりの人が出入りしている様子でした。普通の家の入り口だとしたら出入りしないような、色々な種類の人が出入りしていることから、周囲には何かの施設だということは知れていそうです。

中に潜入

続きを読む →

イスラム社会の中のマイノリティ:イランのシナゴーグ訪問1

実は多民族の大国

国土は日本の約6倍とかなり広く、また地域大国のイラン。
島国で陸の国境がなく、ほぼ単一民族の国である日本とは違い、イランは大きさと地理、歴史ゆえに実は「イスラム共和国」と標榜しつつも、民族的には玉石混交、宗教も色々な形があります。例えば、国教のイスラム教シーア派12イマーム派の他にもスンニ派ムスリムがいたり、また少し歩くとクリスチャンのアルメニア人がよく住んでいる地域、ユダヤ教信徒の地域など一つの街でも複数の宗教の教会や施設があります。

そのなかでも、他宗教から比べてもマイノリティまた、国際政治上微妙な立場に立たされている「イスラム共和国に生きるユダヤ教徒」に出会うことができました。

微妙な立場に立たされる人々

続きを読む →

んーもう:ビザが延長できない!

半端ない遅さと、めんどくささのお役所仕事

部屋のマネジメントの件もそうですが、ペーパーワークというものが、この国ひたすら遅いのとまた理不尽です。なにかとパシられて書類をかき集めさせられたり、不必要に部署を回ったりと、広い大学内をひたすらバスにのってこのオフィスに行きあのオフィスに行き…と

またさらに問題なのがオフィスもいつも空いているわけではないので、お昼休みを避けて、午後に行くとなると全く予定を入れることができません。窓口がペチャクチャ喋りながら作業してるせいで長蛇の列。必要ない質問しすぎだろ。おかげに大体用事は1日で終わらず、結局最後には「今日終わらなかった、明日も来て〜」となる。

最初はシステムがわからず、律儀に列に並んでいましたが、ほかの人がどんどんなぜか抜かしていくのを見て、「自分が待っていることをアピールしなければ対応してもらえないこと」に気づき、半ば強引に列に割り込んで行きました。

彼のオフィスがいつも混んでいるのは、人がたくさんいるのもそうだけれど、絶対事務処理のせいでしょ…

ただいま半不法滞在&街に軟禁中

続きを読む →

一ヶ月断酒してわかったこと

アルコール禁止の国イラン

一部例外はありますが、アルコール飲料や治療を含むアルコールの使用が法律で禁止されているイラン。スーパーマーケットで普通の国では陳列棚に並んでいる飲料は全てノンアルコールビールでアルコール0.0%であることが明記されています。

1日にビール1Lは当たり前だったのに…

日本にいた頃は、ビールが美味しくて美味しくて…一ヶ月経った今からはあまり想像できませんが、お酒で酔うためにというよりも、ビールが美味しくて飲んでいた覚えがあります。それも多い日は350ml缶を3本、ほぼ毎日飲むというような生活でした。

夏で、暑い季節だったので冷えたビールが美味しかった。

そんな自分がいきなり、お酒にさよならを言って禁酒の国に来て一ヶ月強断酒した結果の話です。

ちなみに、自分の飲酒習慣が始まって以来、一ヶ月以上お酒を飲まなかった期間はこれまでありませんでした。続きを読む →

イラン社会が含む問題:適応するのか譲れないのか

最初の一ヶ月は異文化体験でとても楽しい。ただ、それからの数ヶ月は自分が文化に適応するにつれて、その社会に居場所がないことがはっきりわかるようになり、果てしない孤独を感じる。

日本に留学していた留学生が、1年間の留学期間の終了を間近に控え、言い放った言葉です。

いつでも「ガイジン」ということで括られ、日本語を勉強しているのに英語でしか話しかけてもらえないといった、微妙な立ち位置で過ごしたことを非常に残念がっていました。

僕は正直イラン社会で「外国人であること」の殻を破ることはできないと思っているので、個人的に「being ガイジン」問題に問題意識はありません。ただ、そう心得ていても、外国人としてこの社会で生きることは時に大きな課題になります。

あるドイツ人留学生の嘆き

続きを読む →

キャヴィーレ・メスル(エジプト砂漠)旅行のススメ3

12時ごろ:塩の砂漠へ到着

具体的な位置はわかりませんが、砂の砂漠に行った後は、今度は塩の砂漠へ移動です。
地下から、塩水が湧いているらしく、広い土地に真っ白な塩が広がっています。

「ほらみろ、キャヴィーレナマク(塩の砂漠)だ」と言われて外を見ると真っ白

IMG 20171020 134340
傾いていて申し訳ないですが、実際に見たら白いです。(バスの窓のフィルムの関係で茶色くなっている。)
ズンズン先に進んで行くと周りに全く何もない中にどでかい塩の山が見えてきます。続きを読む →

キャヴィーレ・メスル(エジプト砂漠)旅行のススメ2

キャビーレ・メスルの旅行2日目です。最初は名称について少し述べたいと思います。

なぜエジプト砂漠と呼ばれているのか

ペルシア語でキャビールは砂漠という意味です。また、メスルはエジプトを意味するアラビア語のペルシア語風の発音で、二つがくっつくと、キャビーレ・メスルということになります。

なぜエジプト砂漠と呼ばれることになったのでしょうか?

ペルシア語の能力がなさすぎて大体しか掴めなかったのですが、かつては、ここの地に水が湧き、エジプトへ向かう隊商(キャラヴァン)の基地であったことに因むようです。

周りは砂漠地帯で、村という村はありますが、オアシスであった面影は周りに少し畑があることから予想できます。PA200166

このように、煉瓦造りの家が一般的で村の全ての建物が平屋でした。

僕たちが泊まったゲストハウスは、入り口は狭くなっていて、中に行くと噴水を備えた庭があり、その周りに沿って部屋がいくつかあるという感じでした。部屋同士は隣り合っているので、プライバシーもないし、最低限の装備しか部屋にはありませんが、イラン人はたいていの時間を砂漠でキャンプファイアや、星の観察に費やしていたので、問題にはなりませんでした。

朝8:30朝食

続きを読む →

キャヴィーレ・メスル(エジプト砂漠)旅行のススメ1

砂漠に行きたい!

中東といったら、砂漠のイメージで全ての都市が砂漠であるかのようかに思ってしまいますが、大体の土地はいわゆる「土漠」地帯であり、都市の外に出てみる広大な景色はゴツゴツした岩で表面が覆われたものです。

完全なる砂をイメージしていたのに、初めて見たときはアメリカのグランドキャニオンのような岩だらけにがっかりしました。

その中でも、「砂漠」のような、日本の砂浜のように、サラサラした砂に表面が覆われた土地という意味の「砂漠」に行きたいということで、イラン人に混じり、週末(木曜日と金曜日)にキャヴィーレ・メスルに行って来ました。

木曜日PM2:30 ソッフェバスターミナル

こんなクラシックなバスが活躍しています。
PA190158続きを読む →

ムッラーの車に乗っていたら、事故をおこした

テロでは死なないが、交通事故では死ぬかも

よく「イランに行く」というと、「え、戦争ばかりでテロとか危険じゃないの?」といったことを言われることがありますが、ある意味で間違っていて、ある意味で正解だと思います。

特にテロや治安の心配は要りませんが、交通事故に遭遇する可能性は日本の何倍にもなるでしょう。なぜなら、交通ルールは世界最悪であり、交通規則は守られず、車線は無視といったような状況だからです。この間は、衝撃的な物を見てしまいました。

僕が住んでいる近くの場所でバイクが街路樹に突っ込み、人が吹っ飛ばされてしまう事故がありました。人垣ができていて、かなり大事になっていました。かなり重症だったに違いありません。

あれだけ、無謀運転が普通なベトナムでさえ、バイクはヘルメットをかぶるのが当たり前になってきたのに、イランはまだまだバイクはノーヘルがスタンダード。

おかげに、信号が赤だと車は突っ込んで来ませんが、バイクに信号は関係なく、赤信号でも突っ込んでくるし、また、名物歩道を爆走するバイクもたくさんあります。

今回はそんな交通事情の最悪のイランで、車で送ってもらう矢先の出来事でした。

聖職者といえど、普通の生活をしている

続きを読む →

海賊版天国:書籍編

著作権法がないイランでは、ソフトウェアもDVDも海賊版天国。正規版かと思ったら、ぺらぺらの紙ジャケットに映画が入っているだけの商品を30円とかで売っていたりしてびっくりします。

「海賊版」と言えば、映画のDVDとか、ゲームソフトウェアを思い浮かべますが、ここイランでは、書籍の海賊版もかなり流行しています。また、本自体のコピーも安く簡単にすることができます。

そもそも書籍が安い

続きを読む →